
万病を治せる妙療法「操体法」とは?
操体法というのは、仙台の橋本敬三氏という医師が考えた療法。
人間の生命が健康に維持されるためには、「息・食・動・想」の四つの基本的な要素のバランスが取れているが必要であると考え、これらのバランスを整えていく療法です。
それと、周りの「環境」からの影響も視野に入れます。
クライアントさんを診る時も、これら四つの要素を観ていきますが、臨床においては主に「動」、つまり身体の動きの部分を扱います。
一般的な整体や治療法との違いは、痛みなどの症状を治そうとするのではなく、全体のバランスを取ることで、自己治癒力による治癒を図る、というスタンスを取ること。
コリや痛みといった「器質障害」や、病院で診断名を付けられるような症状が出てから、「それを治そう」と考えがちですが、本当は症状が出る前に身体には歪みが起こり、それによる「感覚異常」が起きています。
操体法では、この「感覚」を頼りに根本の原因である「歪み」を改善させることで、症状以前の根本原因から改善していきます。
主な施術の方法は、施術者が一方的に行うのではなく、受ける側(クライアント)が能動的に動きながら行うという方法を取ります。
これにより、歪みを発生させる動きや緊張などの「クセ」の改善も促すことができます。
基本的なルールは、「気持ち良いことをすれば身体は勝手に治っていく」ということ。
従来の治療や健康法とは逆の考え方なので、私も最初は半信半疑でしたが、実際に自分の身体が変わるのを体験すると、目から鱗が落ちました。
しかし、今となってはこれこそが自然の節理であり、人間の身体が持つ本来の力「自然治癒力」なのだと言うことが自分の中の常識になりました。
「身体の声を聴く」とは?
「気持ち良い、悪い」の判断は、頭よりも身体の感覚に従います。
これを「身体との対話」とか「身体の声を聴く」というふうに表現したりしますが、施術者だけでなく、クライアントさん自身の感覚も重要な手掛かりになります。
これを実践するのは、言葉で言うほど実際は簡単ではありません。
でも、うまく感覚を掴めば、ほんの短時間の繊細な動きや刺激で、驚くほどの変化が起こります。
セルフケアもにも応用できる
そして、症状の緩和だけでなく、身体の使い方や姿勢などの間違った習慣も修正できるというのが、操体法のメリットのひとつです。
当院の院長も、長年慢性的な腰痛等に悩んできましたが、操体法に出会ったおかげで、自力でほとんどの問題を解決することができました。
施術においては、無理なく短時間で効果を出せる、というだけでなく、クライアントさんが家に帰ってから行うセルフケアにも応用できるというメリットがあります。
当院では、クライアントさんの状態に応じて、いくつかの手法を使い分けますが、ほとんどの方には操体法を体験していただき、セルフケアにも役立てていただいています。
操体法については、橋本敬三氏の著書がいくつかありますが、その他にもいろいろな方が自身の経験を通して、書籍を出版されていますので、興味のある方は探して読んでみてください。